2024年2月2日にATLASから発売されたペルソナ3のリメイクバージョンの「ペルソナ3リロード」の個人的な評価と感想になります。
発売してから1週間経っているので、発売前から気になっていた人は既にプレイ中もしくはプレイ済みかもしれないので、
この記事は「ペルソナシリーズはやったことないけど興味はあって、まだ手を出していない」人向けかもしれません。
ペルソナ3リロード公式ホームページはコチラ(新規タブで開きます)
あるいはプレイを終えて誰かの感想を見て共感であったり何かを感じたりする人向けとか。
簡単に今ペルソナ3リロード(以下:P3R)をすると『とても良いが、とても辛い』といったところでしょうか。
評価から入る前に、買う前に注意してほしいことがあります。
P3Rを購入する上での注意点
非DLバージョン(パッケージ版)を購入する人には関係ありませんが、DL版を購入する人に注意して欲しいことがあります。
それは『デジタルプレミアムエディション』を購入する場合、『ART BOOK』と『Original Sound Track』の2種の特典は
購入者が想像しているようなモノではない可能性が高いです。
というのも、両方ATLASが用意したソフトウェア上で利用が出来る特殊なモノであり、
決してPC上での写真再生ソフトやiTunesといったミュージックプレイヤーで再生出来るものではありません。
よって、PNGまたはJPEGといった画像拡張子、mp3やFlacのようなサウンドの拡張子のファイルがダウンロード出来るわけではないため、
PCに移植(?)が出来るわけもなく、当然スマホの音楽再生ソフトに入れてPCじゃなくても再生~なんて事は出来ません。
(ソフト起動して音楽を録音して保存したり、アートワークの画像をキャプチャして~とかであれば可能…)
そういった説明は公式HPには無かったような気もしますし、SteamやTwitter(現:X)でもデジタルプレミアムエディションにたいして不満を抱いている人はいます。
なので『持ち運びが出来る』ことを重視するのであれば、アートブックとCDの現物がついているパッケージ版を購入してください。
私は思わず気軽に音楽再生ソフトやアプリに移植できるものだと思ってたいので、これを理由にSteamで返金対応してもらいました。
(しかもその上でXbox Game Passで100円で遊び倒すというSteamを親とするならば親不孝者)
それら2種の特典が必要ないのであれば、ソフト本体の購入だけ、もしくはペルソナセットや服装のDLCと併せて購入などで問題ありません。
せっかくデザインや音楽の素晴らしいシリーズのゲームなのに勿体ないと思うばかりです。
購入にあたっては、現物ソフトは店舗やAmazonでも購入出来るかと思います。
DL版は私はXbox GameとSteamの2種を知っていますが、長期間同じタイトルをやったり、ふとした時にもう一度プレイする事がある場合はSteamを。
短期間にバーっとやって終わりたい人はXbox game(サブスク制アリ)がおすすめです。
(おま環かもしれませんが、同じタイトルのゲームをXbox gameとSteamでプレイしたとき、Xbox gameの方がなぜかGPUの負荷が異常に高くて困りました)
根本は両者ともにゲームソフトを購入可能ですが、Xbox gameはサブスクで月額で安めの価格で配信されているゲームタイトルが遊び放題なシステムがあるところがGood。
キャンペーンの期間がいつまでかは分かりませんが、Xbox Game Passなるものが3ヶ月100円で加入可能で多くのゲームタイトルが遊び放題なので、一応視野に入れておくと良いでしょう。
P3Rの評価
私はペルソナ4ゴールデン、ペルソナ5ザ・ロイヤルをゲームでプレイし、ペルソナ3に関してはP3Pを所持(ちょっと触っただけ)してアニメを5周程度したくらいです。
ペルソナ3はアニメではなくゲームの方が正史そのものらしく、アニメは少し違った部分があるようでしたが一応物語の大筋は同じようなので予習済み。
ペルソナ4や5と比較にならないくらいシリアスな場面が多く、雰囲気も重苦しいものとなっており、いくら予習していたとはいえ実際にプレイの最中に何度も目に涙を浮かべてしまうほど。
『シリーズやったことないけど、面白くて仲間とワイワイするゲームでしょ?』といった感覚で初めて終えられるのは4と5くらい。
(5はワイワイといった感じですが胸糞の悪い物語がデフォとなる話なのでちょっと違うかも)
3は確かに仲間とワイワイもありますが、全体的にそういった頻度は多くありません。
シリアス:コミカルの比で言えば7:3くらい。もしくは9:1くらい。
それでもところどころ面白かったり、辛いことを忘れて楽しめる部分もちゃんとあるので安心。
それはさておき、音楽や映像、ストーリーといった観点から評価をしてみたいと思います。
グラフィック |
5
|
ストーリー |
5
|
---|---|---|---|
音楽 |
4
|
操作性 |
4.5
|
グラフィックの評価
ペルソナ3や4と比較しての評価となります。
5を踏襲しており、今風のゲームのグラフィック寄りで特に違和感はありません。
モブキャラが簡易的な表示になっているのは仕様です。
ただ、リアル志向のようなゲーム、例えば人間の肌のきめ細やかな部分まで再現というようなタイプではありません。
プレイするにあたって、昔のポリゴンの輪郭であったり、古臭さなどは一蹴されて綺麗な見た目になっています。
『昔の名作に興味があるけど、デザインが古臭すぎてやる気がイマイチ起きない…』というアレにはなりません。
ストーリーの評価
ある意味では満点の評価。ある評価では最低評価。
何を以て☆5評価にし、何を以て最低評価と感じたのかはネタバレに繋がるので多くは語れません。
ただ物語の筋書きに欠陥があるということは一切なく、非常に理路整然と進んでいくので問題なし。
しかし筋書き通りに進む上で得たり失ったりする上でのプレイヤーの感情の浮き沈みの頻度が多く、辛すぎて一概に『良い』では片付けられないということ。
ノクト…そんな程度の辛さじゃねぇんだわ… ヒスゴリも大粒の涙を流すほどつれぇんだわ…
私はそんなに幅広くゲームのタイトルをプレイしたことはありませんが、プレイし終えて辛さと悲しさがカンストしたのはP3Rでした。
そういった重苦しい雰囲気のゲームが辛い人はP4GやP5Rをオススメしますが、P3で得られる教訓も多いです。
まだ全キャラのコミュをMAXにしていないし、裏ボスも倒してないので2週目をやらなければ…とても辛い…
全体の話は長くもないがこだわりを感じる重要なシステム『コミュ』
コミュはペルソナシリーズを通じて用意されているシステムです。
複数のアルカナ(タロットの一部)にそれぞれキャラもしくは組織が割り当てられており、
それらとの関係性を上げることによって、そのアルカナに応じたペルソナを強化出来たり、
最大にすることによって特定の上位ペルソナの召喚の解禁が可能になったりします。
登場するキャラのコミュはみなそれぞれ個性があり面白い、あるいは良いもの、または悪魔のような人間もいるので楽しめます。
中には厨二病を拗らせていると評判の神木秋成ですが、個人的にはP3の話にとてもマッチしていて良いものでした。
彼の声優の野島裕史さんの表現の仕方が上手で素晴らしかったですね。
1週内で全てのコミュをMAXにするのはかなり大変(厳密には1年間ほぼ決まった活動をする必要がある)なので、
初めのうちは興味のある人とのコミュを進めるのが良いと思います。
ちなみに上記の神木秋成のコミュは舞子というキャラのコミュを進める必要があります。
キャプションにも書きましたが、神木が創った物語はP4にて登場するように、P4の一部がP5に登場することもあります。
P4の修学旅行ではP3の学校の舞台である私立月光館学園のあるエリアに趣き、学校にも訪れることになる上に、一部のP3のキャラも登場します。
音楽の評価
アトラスといえば音楽が非常に優秀です。
かつてのペルソナ3の曲調はカッコ良さに全振り、4はカッコ良さとオシャレを両立、5はオシャレ全振り。
しかしP3Rは5を踏襲したこともあり、カッコよかった音楽にちょっとオシャレが混じりました。
正直新規追加の曲以外は元の3の音楽の方が良かったので、その点は個人的には減点。
戦闘曲は元と比較すると『横に広がったが深みが無くなって浅くなった』という印象。伝わらんか。
あとは感動のエンディングの曲『キミの記憶』もちょっと雰囲気が違ったり、歌い手が川村ゆみさんじゃないのは減点。
歌唱技術と流れるような歌い方を合わせてサラッとした雰囲気の曲になってます。
ストーリーの全てをまとめるような感情のこもった歌い方がされていないので
エンディングで感動のクライマックスのはずが歌い方と感情のこもって無さで台無しです。
なぜこれでGoサインを出したのか、非常に疑問です🤔
更には戦闘曲『Burn My Dread』に至っては歌詞まで変わってる始末…ぴぇん🥺
とはいえ減点対象の多くは戦闘曲であり、他の曲はより味が出たように思えるので結構アリ。
悲壮感漂う曲はより一層悲壮感が出るような音の使い方が工夫されている感じがしました。
リロードで新規追加されたオープニングの『Full Moon Full Life』は曲の雰囲気も歌詞も良く、シリーズ随一で良い曲。
また、夜の時間帯のポロニアンモールの音楽『Color Your Night』もオシャレでとても好きです。
これはかなりP5寄りの雰囲気の曲です。
既存の曲の雰囲気をイジったのはいただけない…
ベイベベイベもラスボスの曲もエンディングの曲もそのままであってほしかった。
まあ多くの部分を作り変えるために音楽にも手を加えざるを得ないのでやむなし。
操作性の評価
操作性は比較的快適に感じました。
元のP3には無かった仕様のようですが、戦闘面で各キャラの必殺技が追加されたようで、
敵のHPを削るのに大きく貢献する要素によって幾分戦闘が楽になったようです。
このシステムは最序盤ではありませんが、ストーリーが進むに連れて開放され、
キャラ固有のスキルは主人公以外は恐らく最大で2種類までとなっているはずです。
必殺技のシステムは『テウルギア』と呼ばれ、キャラによって効果が違うので、
より戦闘面での工夫の幅が広がったので派手めな演出も楽しめる上に、
特定のキャラのテウルギアにおいてはこれまでの体験に応じた演出もあったりするので様々な楽しみ方が出来ます。
ネタバレ画像はかなりライン超えしてるので見ても「別に構わない、むしろ先に見たい」という人だけ。
あとはカメラ移動速度が5段階なのですが、これを10段階にしてもう少し細やかな設定が出来たら良かったな、と思いました。
あとは戦闘面での操作コマンドが多少煩雑に感じて押し間違いが結構多かったです。
(ミスによって致命的な問題が起きることはありませんでした)
出来ることが増えたことによってボタンに割り当てられる機能が増えるのは当然なので、
私がもう少し順応性が高ければ良かっただけの話かしれません。
便利なコマンドを有効活用出来れば更に快適にゲームをプレイ出来ると思われます。
ゲーム内のダンジョンについて
ゲーム内で何度も通い、面倒な思いをするのが『タルタロス』という場所。
階層が非常に多く、ストーリーの進行度によって進められる階層が限定されるストッパー要素があります。
私はP3R以外のP3シリーズはほぼ触ってないのですが、仕様がかなり作業ゲーでクソという評価だったようですが、
4や5を経験した身から言うと『結構クソ』であるということ。
レベリングが大変で、構造も単調であったり、階層によっては平衡感覚が壊れそうだったり、目に優しくないところも。
非常に階層が多い故に、全て同じデザインだったらそれこそ本当にクソなので何かしらの工夫は必要なので仕方ないのですが、
元の3のタルタロスの概念を壊すようなダンジョンを用意するのも違うので、問題があるとするならば元の3のタルタロスにあるでしょう。
5の時はプレイヤーレベルより格下の敵は猫バスで衝突すれば即時お金と経験値が貰えるスンバラシイ仕様でしたが、3は乗り物で移動はしないのでとても辛い。
かといってタルタロスの攻略を放置するとゲーム内キャラからお叱りを受けるのでやらざるを得ない。
修行、苦行、そんな言葉が似合うダンジョンですが、ゲームプレイ中に難易度を変更できるので、
戦闘よりも物語を楽しみたい人は最低難易度のPeacefulを選択して楽に攻略するのも選択肢の一つ。
あるいはDLCで880円?のペルソナセットで『サタナエル』が入ったものを購入するのもアリ。
サタナエルはペルソナ5の主人公のモノで、3→4→5の順で時系列が成立しているはずですが…なぜあるんでしょうかねぇ…
それはさておき、そのサタナエルは最強各のペルソナで、序盤中盤で無双出来るので非常にオススメです。
P3Rの良くなかったところ
P3Rは概ね非常に良いという評価が出来るのですが、悪いところも一応挙げておきましょう。
あくまで個人的な感想ですので、人によっては違った意見にもなると思われます。
- 既存の曲をイジって元より悪くなってる
- 戦闘後に時々発生するシャッフルタイムのタイミングが『そこじゃない、やめろ』感が凄い
他に何かあるか?と考えてもこの2種しか思いつきませんでした。
曲に関しては上で述べた通りなので割愛しますし、正直慣れてしまえば『まあ良いか』と思いますし、
何より3が初めての人は元の曲からどう変化が分からないので問題はないでしょう。
ただ、2つ目の『戦闘後に発生するシャッフルタイムのタイミング』が大問題。なんでそのタイミングに挟んだと問いかけたい。
例えばこの動画の3:11からのダウンを取って総攻撃(全員で殴り込み)して掃討したあとに発生しているシャッフルタイム。
なぜこのシャッフルタイムを下記のような画像の表示の後~経験値取得の前に用意しなかったのかが疑問です。
キャラ固有のオリジナルモーションからのイカしたスクリーンにダイレクトで移動して欲しかったですね。
それ以外に関しては問題な…タルタロスという元からアレなものは置いといて、それ以外の評価は良好です。
P3Rのまとめ
もうちょっと色々書きたいんですが、書きすぎるとネタバレに関する内容を書いてしまいそうなので色々省略。
ペルソナシリーズはストーリー命なところがあるので、ストーリー<戦闘といったゲームとはレビューの仕方が変わります。
P3Rの感想は『楽しい』『面白い』ではなく、『感動』『絶望』の2語が似合うゲームです。
それでもプレイし終えて『やらなければ良かった』となるようなゲームでもありません。
ペルソナの召喚やHPやMPやアイテムであったり、一部ストーリー上の仕様といった現実では存在し得ない概念はさておき、
それ以外のいわゆる人間関係や人生の在り方については深く考えさせられる作品と言えるでしょう。
簡単に3~5のタイトルを言葉で表すなら、
ペルソナ3:命
ペルソナ4:絆
ペルソナ5:正義
かと思われます。
4は『絆』とある通り、仲間との繋がりにフォーカスを当てた話であり、とても暖かい話です。
5は世の中に蔓延る理不尽や不正に立ち向かい、過ちを正す『正義』のフォーカスを当てた良い話。
3はそのまんま『命』あるいは『人生』の話であり、4や5とは毛色の違う作品。
なんとなく気軽に始めるには重たすぎるゲームかもしれませんが、これを機にペルソナファンが増えてくれたらと思うので、
興味のある人はP3Rとは言わず、4や5からでも、あるいはアニメを鑑賞するでも良いので楽しんでもらえたらと思います。